そのため、小型船舶に普及させる設備として、表3.4.2-1に示すPLB(個人の救難用)の海上使用が考えられる。
参考:PLBは121.5MHz(121.5MHz及び243MHz)の周波数を使用する機器が主流で、小形で安価な製品が海外で利用されている。
しかし、COSPAS-SARSATにおいては、121.5MHz(121.5MHz及び243MHz)の周波数の信号を衛星で処理することを中止する決定がされており、海外でもこれらに代えて406MHzの周波数を使うPLB小型化、低価格化の検討が始められている。
表3.4.2-4に、現存するPLBの外形寸法の例を示すが、小型な物であることがわかる。
PLBを海上使用とした場合の利点や問題点など検討すべき課題は次の通りである。
ア PLBとした場合の利点
・ 識別番号をメーカーで取ることができるので、出荷するまでの工程の合理化と時間の短縮が図れる。
・ 個人の装備とするので、一人乗船の転落事故時の位置確認に有効である。
イ PLBを導入する場合の検討課題
・ 我が国ではPLBの制度がないので、新たな制度化の検討が必要。
・ 検査に係わる要件を適用外とするか、大幅に簡略化するなどの検討が必要。
ウ PLBの性能要件の検討
機器の性能要件の内、COSPAS-SARSATの基本要件に加え、PLBとしての環境条件や運用面について幾つかの要件を検討する必要がある。
・ 作動時間:海外のPLBは24時間であるが、更に短縮するか、できるかの検討。
・ 起動方式:自動起動か手動起動か。
・ 浮揚方式:浮揚式か非浮揚式か、海外のPLBは非浮揚である。