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「必要性を感じない」具体的理由の記載には「現有の通信機器で十分である」が非常に多く(その半数以上が携帯電話)、「必要性を感じる」記載には「現有通信機器では通信できない海域がある(その半数以上が携帯電話)」との相反する意見がみられるが、これは活動海域の遠近を反映しているものと思われ矛盾するものではないと思料する。

また、このことは近距離での携帯電話の有効性と、距離が離れた海域では他の通信器機を必要とすることを示唆している。

また、「万一の場合に簡単、かつ確実に連絡できる機器が必要」が多いのは、イパーブ類への期待の大きさを表しており、「転覆、海中転落等に対応できない」が多いのは、小型船舶に多くみられ乗船者の生命に直結するこの種事態への対策を強く求めていることを示している。

(6) 機器に対する知識(12-(1)項関連)

漁業無線については漁船、プレジャーボート等双方に、またマリンVHFについてはプレジャーボート等によく知られているが、他の機器については知られていない実態を浮き彫りにしている。

特にイパーブについては、小型船舶の大半には搭載義務がないために関心が薄いものと思われる。

いずれの機器についても、周知・広報の重要性、その強化の必要性を示している。

(7) イパーブについて(13項、12-(2)項関連)

13項「イパーブを搭載(自主)したいと思う」が全体で23%、「思わない」が53%と後者が倍以上となっている。

しかし、12項の(2)「搭載したいと思う器機」では、「イパーブ」と「小型イパーブ」を加算した数値はプレジャーボート等、漁船ともに最も多くなっているのが注目され、この種機器への期待は高いことが伺える。

搭載希望者は「万が一の場合に信頼できる」「何時でも何処でも使用できる」などの有用性を評価し、いわゆるイパーブの搭載を望んでいるといえる。

後者は、「価格が高い」「義務でないから」「機器が大きい」が理由で、小型化、低価格化を望む声が多く、小型船舶への搭載を促進するためには、これらをクリアーする必要性が大きいことを示唆している。

なお、回答からは、購入が期待される価格は5〜6万円程度が目安と思われる。

(8) その他各通信機器に関する主な意見

前各項に記載した以外のアンケートに書かれた指摘、意見(要望)などの主なものは次のとおりである。

なお、同じ事項に各機器について記載があった訳ではないので、記述のない機器については問題がないという訳ではないと思われるので、その点留意すること。

1] 機能に関するもの

漁業無線、マリンVHF、400メガ無線、アマチュア無線などでは、「通信距離が短い」「通信できない海域がある」という指摘が多く見られる。

 

 

 

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