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□ 先ずは現在の科学技術を元として、現状の問題点に、近未来的に対応することを第一に考えていきたいと思う。将来的な対応については委員の方々のご意見を頂きながら、提言その他の形を考えていきたいと思う。

△ 問12のイパーブに関する知識であるが、余りに多くの者が知らないと回答しているのに驚く。特に漁船については新生丸海難事故を契機として、関係団体が周知を図っているにも関わらず、7割近くの者が知らないと回答しているのは問題であり、何らかの方法を検討する必要があるのではないかと考えられる。

□ 今回の調査対象は、非GMDSS船ということで、イパーブの搭載義務がないことから、関心も薄いということがいえるのかもしれない。

◎ 今回の調査の回答者には、1級小型船舶操縦士の免状受有者が比較的多いにも関わらず、これだけ多くの者が知らないというのは、やはり問題であろう。アンケートの結果、携帯電話が非常に普及していることが分かるが、その割に携帯電話の機能に関しての改良要望が多くないという気がする。これは、サービスエリア等現在の機能を十分理解した上で、現状にある程度満足しているのではないかとも思う。

□ 以前、4つの地方の漁業者に対して、携帯電話の海上での到達距離を尋ねたところ、その地方により様々であり、10数海里程度まで通話できるというものがある一方で、1〜2海里程度しか届かない海域もあるとのことであった。海上における携帯電話の使用可能エリアを明確にする必要があり、それによって今後の対策を検討する必要がある。

○ 相模湾の中心付近で実験した際には、10海里以上の到達距離があった。しかし、その時同時に神津島から漁船を出港させ、これとの間での通話実験を行ったところ、漁船が近づいてくるにも関わらず、漁船が中継局との島陰に入ると通話できなくなった。そういった危険性があると思う。

○ 携帯電話各社間でも海上での到達距離には差があり、海上での使用に関する各社の考え方を確認してみる必要がある。

◎ 実態として、携帯電話の海上での使用者がこれだけ多くいるということは、海難救助のために、これを緊急時の連絡手段として活用していくのは当然のこととして、関係先と調整していくべきであろう。

○ 携帯電話に関して、海上で確実に使用できる範囲が明確になっていないことが、通信の確実性を考えた場合に問題となる訳である。

△ 昨年、沖縄地方で、「レスキューITネットワーク」という漁船も含めた小型船舶向けのサービスが計画された。これは小型船舶の運航者が、自船の行動計画等をメールで送ると、プロバイダーのサーバーにそれが蓄積され、その登録された船舶に対して安全情報が配信されるものである。

 

 

 

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