ウ イパーブ等の機器
「イパーブ等の機器」について、水洋会の中村委員が小型船におけるその現状を説明(小型船用イパーブのリーフレット配布)し、これに対して、次の質疑応答、意見等があった。
◎ 小型船用イパーブの価格、普及状況等はどうか。
○ 価格は通常のイパーブの半分程度に設定されている。小型船用イパーブの搭載対象船舶は、300隻程度であり、販売台数も大体その程度である。
◎ 通常のイパーブと小型船用イパーブとの違いとしては、電池の時間が短いことと、自動離脱装置が付いていないことか。
○ そのとおり。スペックとしては、国際基準があるので、それを充たさなければならないのが現状である。
○ 最近では、イパーブにGPSを組み込み、位置精度を向上させたものがあると聞くが。
○ そのとおり。既に外国のメーカーにおいては製品化されている。
◎ イパーブの位置精度を向上させても、イパーブと遭難船の船体が常に同じ場所にある訳ではないということが、別の問題としてある。
エ 非GMDSS船の海難事例
「非GMDSS機器の搭載を義務付けられていない小型船舶の海難事例等」について、海上保安庁警備救難部救難課が資料GM(00)1-5により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
○ イパーブが発射されなかった海難と発射された海難の「到着時間」を比べると、発射された海難の方に時間が長いものが多いが、これは何故か。
△ 「到着時間」は、海上保安庁が海難の発生を認知してから救助勢力が現場に到着するまでに要した時間である。イパーブを使用した船舶つまりイパーブを搭載する船舶は、一般的に遠くの海域まで出て行く船舶であり、イパーブを搭載しない船舶は主に沿岸域を航行する船舶である。従って、イパーブを使用した海難事例で、到着時間が長くなっているのは、遠くまで行くのに時間を要しているということである。「発見時間」は、海難の発生を認知してから海難船舶を発見するまでに要した時間であるが、これを見ると、イパーブを発射しない海難は、沿岸域での発生であるにも関わらず、多くの時間を要していることが分かる。
オ イパーブ以外の機器
MCA(Multi-Channel Access)無線について、移動無線センターの西沢委員が、投下式レーダートランスポンダー(サート)について、日本船舶品質管理協会の蛭子委員が、またGPS組み込み型携帯電話について、ワムネットサービスの古屋委員がそれぞれ概要を説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。