研究経緯は次のとおりである。2000年9月に金沢八景地区の小中学生約350名からなる「金沢八景クラブ」を発足。一人、一人に会員証を渡し、下記の金沢八景大作戦の一連のイベントを通じて、「金沢八景」に対して、何かして上げた場合には、青いシールを、逆に何かしてもらった場合には、赤いシールを張ることをルールとして、社会実験を開始した。
1] 「復活・瀬戸の秋月」〜琵琶島弁財天のライトアップ・イベント〜
日時:9月14日 午後5時〜午後9時
場所:瀬戸神社琵琶島弁財天
参加者:2000名
地元のお年よりの協力を得て、子供達に手作りの行灯600個を作ってもらい、その行灯で、平潟湾に突き出た瀬戸琵琶島神社をライトアップした。また、同時に周囲のマンション等にライトダウンを呼びかけ、かつての「瀬戸のお月見」の景観を復活させた。かつて海と山とをつなぐ玄関口であった瀬戸神社と琵琶島弁財天、この現在分断されている、かつての平潟湾のシンボルをライトアップすることで、地域の自然、文化、歴史を改めて見直してもらうことを意図している。
2] 「復活・平潟の落雁」〜平潟湾はぜ釣り大会〜
日時:9月23日 午前9時〜午後2時
場所:平潟湾及び野島水路周辺
参加者:180名
平潟湾の環境調査を兼ねた「ハゼ釣り大会」を野島水路等で開催。人と干潟の生態系の相思相愛関係から生まれた江戸前の沿岸文化―「春の潮干狩り・秋のハゼ釣り」の一端を甦らせた。当日参加した子供もその親達も、ほとんどハゼ釣りが初めてであり、減りつつあるハゼをどのように増やしていくか、ハゼの料理を食べながら論議した。