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プレートが衝突する部分では、どちらかのプレートが地殻中に沈み込む。地球は深部に向かって温度が上昇しているため、沈み込んだ岩石の一部は溶融して、マグマが発生する。岩石の融点は、水が存在することによって低下する。したがって、マグマの発生にとって、岩石中の間隙水として取り込まれていた海水が重要な役割を果たしている。発生したマグマは密度が周囲の岩石より小さいので、浮力により地殻中を上昇する(ただし、マグマの上昇に関しては他のモデルも提唱されている)。これが、造山帯が火成岩で特徴づけられる理由である。造山帯が「帯(belt)」と呼ばれるのは、それが帯状に連続するからである。造山帯をプレートの衝突部と捉えれば、その分布形態が帯状となるのは当然のことである。

造山帯に着目すると、大陸は3つの部分、すなわち剛塊(craton)、古生代(5.6〜2.4億年前)造山帯、中生代・新生代(2.4億年以降)造山帯に大別される(図4)。剛塊は大陸の中心を占め、平坦な地形で特徴づけられる。古生代以前の先カンブリア時代、すなわち太古代(24億年以前)と原生代(24〜5.6億年前)の岩石からなる。これらの岩石の分布が明らかな部分を盾状地(shield)、新しい堆積物に覆われているがその下に先カンブリア時代の岩石が分布していると考えられる地域を卓状地(platform)という。古生代造山帯は、東アメリカのアパラキア山脈やヨーロッパとアジアの境のウラル山脈のように、地形的に山脈を形成している場合が多い。しかし、それらは比較的なだらかである。これに対して、中生代・新生代造山帯には、世界の巨大な褶曲山脈、すなわち北アメリカのロッキー山脈、南アメリカのアンデス山脈、ヨーロッパのアルプス山脈、アジアのヒマラヤ山脈などが存在する。さらに、そこには日本列島やフィリピン諸島などの島弧も存在する。また、この造山帯の分布は、現在の地震帯、火山帯とも一致する。

盾状地内には、帯状の分布を示す広域変成岩が存在する。その年令は、変成帯毎に異なる。このことより、変成帯は先カンブリア時代のプレートの衝突で形成された造山帯であり、プレートの衝突は先カンブリア時代を通じて地球上の各所で起きていたと考えられる。したがって、地殻、マントル、核という地球の成層構造が形成されて以来、地球の表層部では、プレートは絶えず離合集散を繰り返して、離散部で新しい海底地殻が生まれ、集合部で造山帯が形成されていたと結論される。このプレートの離合集散の動きの動力源は地球内部からの熱である。なお、塩基性の火山岩で特徴づけられる緑色岩帯が盾状地にも古生代以降の造山帯にも見られる。これらは、過去の海洋地殻が大陸に付加されたものである。

上記のように考えると、大陸は成長するのみようにとれる。しかし、風化、侵蝕、運搬、沈積という堆積作用によって、大陸を構成する岩石は海洋に運ばれる。岩石の化学組成を斜長石CaAl2Si2O8で代表させると、化学的風化作用は、

CaAl2Si2O8+H2O+2H → Al2Si2O5(OH)4+Ca+ (3)

という反応式で表され、カオリナイトAl2Si2O5(OH)4などの粘土鉱物が生成する。また、この反応でできたカルシウムイオンなどが海水中の溶存成分となる。化学的風化の進行により鉱物間の結合が弱くなり、化学的風化に強い石英なども流出する。侵蝕・運搬の過程で、粒子は次第に小さくなり、最終的に海洋底に堆積する。この堆積作用の動力源は太陽からの熱である。

 

 

 

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