図11 アルミ粉で可視化された偏西風の模型
8. 山岳波 山の風下では、しばしば気流が上下に波打ち、時として、激しい乱気流を発生させて飛行の障害になる。その原因は、大気が鉛直方向に密度成層をなしていることにある。山岳波の上昇気流の部分に雲が発生するので、山脈の上に、上空からみると稜線に沿った縞状の雲が発生する。図12は、その一例で、南オーストラリアの上空に発生した山岳波がスペースシャトルに乗った宇宙飛行士によって撮影されたものである。
8. 山岳波
山の風下では、しばしば気流が上下に波打ち、時として、激しい乱気流を発生させて飛行の障害になる。その原因は、大気が鉛直方向に密度成層をなしていることにある。山岳波の上昇気流の部分に雲が発生するので、山脈の上に、上空からみると稜線に沿った縞状の雲が発生する。図12は、その一例で、南オーストラリアの上空に発生した山岳波がスペースシャトルに乗った宇宙飛行士によって撮影されたものである。
図12 スペースシャトルから撮影された山岳波(南オーストラリア)
この現象は密度成層流体を使って再現することができる。図13は、実際に実験した容器の模式図である。右上にある2つの水槽に、それぞれ、濃い塩水と真水を入れ、真水に撹拌装置をつけて、真水を撹拌する。2つの水槽はサイホンで連結する。真水の容器の水を実験水槽に注入すると、最初は真水が実験容器に入るが、次第に真水の容器に塩水が流入するため、実験容器に入る水の密度が増加する。このような装置で、鉛直方向に密度が直線的に変化する流体層を作ることができる。
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