上空まで延び、同じ高さの空気の積もり方を高緯度と低緯度に比較すると、高緯度のほうが、その高さより上に空気が沢山積もっているために、その加重で気圧が高くなる。その結果、同じ高さでみると、南北方向に気圧差が発生し、空気を高緯度側に押すわけだが、西風が発生して、それに伴う南向きのコリオリの力がこの力に対抗するように働くようになる。しかし、西風は不安定で南北に蛇行し、それに伴って高低気圧が生まれる。そして、高低気圧の移動に伴って天気が変化する。日本など中緯度帯になる国の天気が西から東に変化するのは、このような仕組みによる。
偏西風の蛇行は地球規模で生じるので、簡単に観察するというわけにはいかない。しかし、回転水槽を用いることによって、上に述べたような現象を再現することができる。同心の三重の円筒容器を用いて、それぞれの区画に、中心部は冷水、中間部は水道水、外側の区画には温水を入れ、一定の回転数で回転させる。すると、図11に示すような蛇行する流れが水面に形成され、その内側に高気圧、外側に低気圧の渦が発生する。