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このような装置を用いて、皿に水を入れて回転させると、水は、共通重心の外側に向けた力(遠心力)を受けて、外側の水位が高くなる。すなわち、月と反対側の水位が高くなるわけであるが、その様子は、地球儀の上部に設置されたテレビカメラで観察することができる。

この装置では、月側の水位を高くすることはできないが、そちらは考えやすいので、想像力で補うことができるであろう。

 

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図8 起潮力を説明するための模型

 

6. 海水の大循環

グローバルな海水の循環は、風成大循環と熱塩循環という2種類の循環から構成される。風成大循環は、水面を吹く風が海面を擦ることによって生じ、水面から数百メートルの深さまでに及ぶ。その下は、熱塩循環が卓越する。熱塩循環は、高緯度の海水が冷却によって、海底まで沈降し、海底をはうように世界中の海洋に広がっていく現象である。海洋の深い部分の循環なので、深層循環ともいわれる。

風成循環のもっとも大きな特徴は、酉岸強化現象である。西岸強化とは、世界中の大洋の西側に強い海流が存在する現象である。日本列島は北太平洋の西側に存在するが、そのために、日本の太平洋側には、黒潮という強い海流が流れている。北大西洋には、湾流と呼ばれる、黒潮と同じような海流が存在する。南半球の太平洋には東オーストラリア海流、大西洋にはフォークランド海流、インド洋にはアギュラス海流など、同じような海流が存在する。それらを総称して、西岸境界流(または西岸強化流)という。

なぜ大洋の西側に強い海流が存在するのか、長い間、海洋物理学の謎であったが、1940年代の末にアメリカの海洋物理学者ストンメルによって、その謎が解かれた。しかし、謎がわかったとしても、西岸強化のメカニズムを理解することは容易でない。本研究では、黒潮の模型を作ることによって、そのメカニズムを理解させることを試みる。

 

 

 

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