5. 潮汐の原理を示す実験装置
5.1 はじめに
海岸近くに住んでいる人ならば、潮の満ち引きは身近かな現象であろう。1日2回、規則的に海水位が変化する。その原因が月にあることは、紀元前300年頃、現在のマルセイユ(当時はマッシリア)の天文学者ピテアスが指摘している。月が海水位を変化させる理由を説明した人はニュートンである。
基本的には、月の引力が海水を引っ張って海水位を増加させるわけであるが、それだけでは、なぜ、1日2回、満潮があるのか理解できない。実は、月と反対側の海水位も増加するので、満潮になる。しかし、なぜ、月と反対側で満潮になるのであろうか。
まず、教科書に書いてあることを復習してみよう。