重要なのは被害者がどのようにしてこの問題を解決したいと考えているかという意思です。相談を受けた人の考えを押しつけるのではなく、相手がどう考えているのかを十分に尊重してください。また被害者が考える解決方法では不適切だと相談を受けた人が判断する場合には、その解決方法を具体的に被害者に提案し、被害者の納得を得てから、次のステップに進む必要があります。
被害者の納得を得られないままに、相談を受けた人の考えで解決を急ぐと、それが裏目に出ることもあります。
ウ 相談を受けた人の支援の範囲内で対応できるか
被害者の中には、監督者や相談・苦情窓口を巻き込んだ組織的な対処を望まない人もいます。その場合には、被害者とよく相談し、被害者の納得を得た上で、相談を受けた人自身が対策を実施します。
一人の支援では解決できないと判断する場合には、職場の仲間の支援を受けるという方法もあるでしょう。また組織的に解決する必要があると判断される場合には、監督者または相談・苦情窓口に相談することを、被害者に提案します。そこで被害者の同意が得られれば、被害者と一緒に相談に出向く、あるいは被害者の希望によっては被害者から相談があった旨を監督者または相談・苦情窓口に報告するなどの方法をとります。
エ またいつでも相談にのる準備のあることを伝える
被害者が特に対策を必要としないのであれば、「私はいつでもあなたの相談に乗ることができるから、またセクシュアル・ハラスメントがあったらいつでも相談してください」「一人で悩まないでください。またいつでも相談してください」などと伝えることが必要です。
オ 加害者が特定できるか
被害者から具体的な名前が出された場合には、その人を加害者として疑ってみることになります。ただし、この時点では、本当の加害者と確定できるものではありません。