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そこで、職場の中にそれらの雰囲気がないかどうかをチェックシートにより確認して、セクシュアル・ハラスメントが発生しにくい、また万が一発生してもすぐに解決できる職場をつくっていくことに役立てます。

2] ディスカッション

あるセクシュアル・ハラスメントの事例をもとに、数人のグループでどのように感じたか、またその原因はどこにあるのかなどをディスカッションすることは、自分の感じ方、考え方がすべてではない、自分以外の人は様々な感じ方、考え方を持っているということに気づくのに、大変有効的な手法です。つまりセクシュアル・ハラスメントのキーワードである「相手の意に反する」という部分の理解を深めるのに役立ちます。

ただし、この手法を利用してより高い効果を期待するためには、ディスカッションに参加するメンバーが、それぞれの意見を他のメンバーに否定されることなく、自由に自分の意見を述べられる環境にあることが前提になります。そこで、これらの環境が参加者に提供できるように、インストラクターは細心の注意を払う必要があるでしょう。

もし、何らかの理由で、様々な意見が発言されにくいことが予測されるのであれば、ディベートなどの手法をとり、自分の考えとは距離をおいたところで、一種のゲームとして進めることも有効でしょう。

 

※ ディスカッションに用いるケース選定の注意点

ディスカッションに用いるケースは、できるだけ多くの視点からセクシュアル・ハラスメントについて考えることができるよう、バランスよく選定する必要があります。

どのような視点からセクシュアル・ハラスメントについて考える必要があるかは、次のとおりで、これらの違いによって、感じ方にもかなりの差が出てきます。

ア 行為の内容はどうか

行為の内容が、視線、言葉、身体への接触、手紙、電話、電子メール、デートの強要、脅し、レイプなど

 

 

 

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