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4] その他

研修の目的は、セクシュアル・ハラスメント防止についての啓発が第一であることは言うまでもありませんが、その他、研修の場をセクシュアル・ハラスメントの実態を把握する場として考えることも可能です。もちろん、実態を把握するためには、全職員向けのアンケートなどによるものが適切ですが、これらを実施するための時間や費用などが捻出できないと考えられるときには、グループワークなどを利用して、実態を把握し、研修生にもそれを理解してもらうということができます。

 

(2) 研修の際の注意点

セクシュアル・ハラスメントの研修を実施するに当たっては、単に知識やノウハウなどの付与を目的とする研修と異なり、様々な視点からの配慮が必要となります。

その理由は、セクシュアル・ハラスメントそのものが、人権問題であるからです。つまり、その研修の場で、人権が侵害されるようなことがないように、またセクシュアル・ハラスメントが起きることがないように、インストラクターは多くの配慮をしなくてはなりません。

では人権の侵害が発生することがないように、どのような配慮が必要になるでしょうか。具体的に考えてみることにします。

1] 他者の意見を尊重する

セクシュアル・ハラスメントとは、他者を不快にさせる性的な言動であることは既に述べました。つまり相手が感じていること、考えていることに耳を傾け、尊重することが、セクシュアル・ハラスメントのない職場をつくるために重要な第一歩となります。そのためには、まず研修の場で、研修の参加者全員が、他者の意見を尊重する意識を身に付け、そのような行動がとれるような注意が必要になるでしょう。

2] 他者の言動を批判するような発言を控える

研修の中にディスカッションなどの手法を取り入れる場合、他者の言動を批判するような発言を控えるように、研修生に注意を促す必要があります。

 

 

 

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