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(1) セクシュアル・ハラスメントと思う行為に対する認識については、男女の間に差が認められること

・セクシュアル・ハラスメントであると思う行為については、例えば「裸や水着のポスター等を職場に貼られた場合」に、女性の50.2%が「思う」と回答したのに対し、男性で「思う」と答えたのは36.1%と低く、また、「お酌を強要された場合」についても女性の49.1%が「思う」と回答したのに対し、男性では35.1%にとどまっており、男女間で認識の差がみられています。

(2) セクシュアル・ハラスメント被害の経験は、ものによってはかなり高い率を示すこと

・女性の場合、「性的なからかいの対象にされたり、性的な冗談等を言われた」が70.3%、「自分の容姿、年齢、結婚等について話題にされた」が69.9%、「わざとさわられたりした」が67.3%などと、かなり高い率を示しています。なお、「性的関係を強要された」ことのある女性は17.0%で、約6人に1人が経験していることになります。(ただし、この調査は経験の時期については制限していないため、例えば30年前の経験なども含まれている可能性が否定できません)

(3) セクシュアル・ハラスメント被害を受けた結果、特に女性は深刻な影響を生じていること

・セクシュアル・ハラスメントと思う行為を受けた結果生じた影響については、「特段何の影響も生じなかった」とする回答が男女とも最も多いのですが(女性49.4%、男性67.7%)、女性の場合は、「転勤したい、あるいは退職したいと思った」が23.5%、「仕事の能率が落ちた」が21.4%と、深刻な影響を生じている様子がうかがえます。

(4) セクシュアル・ハラスメント被害を受けた際の対応は消極的なものにとどまることが多いこと

・セクシュアル・ハラスメント被害を受けた際、最終的にとった対応については、「やめるように頼んだ」は男女とも低率ですが(女性6.9%、男性3.5%)、「軽く受け流した」とする回答は男女とも最も多く(女性28.0%、男性30.5%)、これに「無視した」、「行為者を避けた」、さらには「結果的に受け入れた」とする回答を加えると、女性の場合66.7%、男性で61.4%と高い率を示し、男女ともセクシュアル・ハラスメントに対して消極的な対応をとるにとどまっていることがうかがえます。

 

 

 

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