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しかし、原則的には、休む前に従事していた仕事に復帰させ、しかも比較的単純な仕事から始め、上司の指導のもとに徐々に増やすのが適切な方法である。いずれにせよ職場復帰には種々困難が伴うものであるから、職場の上司、家族、健康管理医及び専門医の協力関係は欠かすことはできず、なかでも家族の協力が大切である。

(2) 再発防止

復帰直後、職場として大事なことは、復帰した職種や仕事の難易度、周囲との人間関係など、本人がどの程度適応しているかを注視することである。そして、これら適応状況を上司が適確に把握し、随時、管理医や主治医と連絡をとり、必要ある時は、再発防止のため配置換するとか、又は仕事の内容を調整する等の措置が必要となる。なお、復帰時に、職場として仕事上の相談相手を決めておくことも再発防止のうえで有効といわれている。更に、仕事上の適応だけでなく、インフォーマルなグループ等との付き合いを増やし、本人の自信回復に務めることも大事なことである。

要は、家族と協力し合い、主治医や管理医との密接な連絡のもとに、上司、同僚、友人等の職揚の暖かい対応が再発防止の原点であろう。

 

○自殺の防止について

職員の自殺は、メンタルヘルスの問題としては最悪のケースの一つといえるものであり、職場として犠牲者を出さないよう最大限の努力をはらわなければならない。そのためには、職員に対するメンタルヘルス教育を行うなど日頃のメンタルヘルス対策の取組みが重要である。また、自殺の直接の原因や実行行為に至るまでの経過が千差万別であることから、職場としてもケース・バイ・ケースの対応が必要となる。

なお、職場だけの努力には限界があるので、状況に応じて家族等と連携して対応する必要がある。

人事院の死因調査結果等の傾向からみて、自殺の防止について特に留意すべき点は次のとおりである。

 

 

 

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