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したがって、管理・監督者は、部下職員の日頃の言動に対し、客観的で正確な観察姿勢が必要とされるほか、職場不適応が疑われるような部下職員と接する揚合には、メンタルヘルスについての正しい理解と認識に基づいた適切な対応をすること、つまり、カウンセリング・マインドを持つことが必要とされる。そのためには、あらゆる機会をとらえて十分な教育が行われるべきで、これを継続することによって各職場にメンタルヘルスに理解を持った管理・監督者が配されることとなり、早期発見のための体制を職場で支える大きな力となる。

(3) 相談窓口

職場不適応の早期発見には、職場の管理・監督者の適切な対応が第一義的には重要であるが、職員の中には、身近な上司等をむしろ敬遠したり、何か悩みを持っていても他人に知られたくない、という人もいるので、その意味でも、職員が安心して気楽に利用できる相談窓口の開設が望ましい。

職場に診療所があれば、そこに窓口を開設したり、ない場合でも、特定日を設けて会議室等をそれに充てるなどし、職員のプライバシーに配慮しながら、相談窓口の利用を職場内に周知させる。

(4) 管理・監督者と専門医、家族との連携

職場不適応かどうかの判断はかなり相対的なものなので、管理・監督者が自分の部下について判断する場合には、自分をあくまでも中立的な立場に保ち、自分の感情を入れず、できるだけ冷静に行われなければならない。特に心の病が予想されるようなときは、自分だけの判断によらないで、必ず健康管理医などと相談のうえ、精神科等専門医の判断を仰ぐようにしなければならない。また、必要に応じて家族と連絡を取り、家庭における状況と職場の状況の情報交換及びその対応について相談し、専門医の指示により、受診の準備なり必要な措置を進めることとなる。

 

 

 

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