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職員研修の中で取り上げる場合、時間的制約もあるためにどうしても教養講座的になりがちで、参加者は受け身になってしまうが、講義のほかに参加者相互の討議や事例研究を組み入れるなど、全体として体系づけられた、より充実した形でのメンタルヘルス教育をすべきである。特に、管理・監督者層を対象とする場合に、職場における問題解決の進め方や身近に起こりそうな事例の研究などは、各職場へ戻ってからの実践に効果が期待できるものである。

(3) その他の啓発活動

国家公務員健康週間などに専門家を講師に招いて、講演会や映写会等を開催することも、一度に多数の職員が参加できるという点で有意義であり、また、日頃からメンタルヘルスについての理解を深めるためにパンフレットを配布するとか、関係図書、雑誌を回覧するなどが考えられる。

 

4 メンタルヘルスの保持・増進

職員が精神的な不健康状態に陥らないためには、日常における予防として、不健康要因の除去に留まらず、より健康を増進させるための積極的な対応が望まれる。これら対応は、職場の健康管理として取り組むべきものと、職員個人として対応するものに大別される。

(1) 職場としての組織的対応

職場不適応の予防等につながる職員相談や教育・研修等の啓発活動とともに、職場の環境整備を行うことが大事である。

職場の環境整備の第1は、ハード面の整備である。事務室内の採光、騒音、気温等の執務環境を快適に保ち、更に、机や書棚等を適正に配置し、職員に不快なストレスを与えないようにすることである。その第2は、ソフト面の整備である。それは、適材適所の配置や昇進管理等の人事管理を適切に運用し、各職場での仕事が過重負担とならないように業務分担を図り、また、良好な職場の人間関係が生じるような雰囲気を作るために努め、更に、レクレーションやスポーツ大会を開催したり、趣味等の職場サークル活動の援助を行うなど、職員の心身のリフレッシュ及びインフォーマルな人間関係の形成にも努めることである。

 

 

 

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