日本財団 図書館


12 三次介入とカウンセリング・マインド

 

(1) 三次介入とは

職場のメンタルヘルスの中で、三次介入として取り上げるのは、主として職場復帰と再発防止に関することとなります。

職場というのはある意味での厳しさを要求されるのは当然ですから、職員が心身ともに健康であることを望まれるのはいうまでもないことです。そこで、前にも述べた一次介入の大きな意味があるわけですが、人間である以上、様々な疾病、これまで主として心の問題や精神疾患等について考えてきましたが、それ以外の身体的な病気についても予防ということが一番大切であるとしても、どんな対応をしても100%というわけにはいかないわけで、ついで二次介入という課題が出てきます。

三次介入では、休養、加療でよくなった職員の円滑な職場復帰と再発予防についての上司や職場として取り組みを考えていくことになりますが、これについては、カウンセリング・マインドという姿勢は必要になってくると思われます。

職場としては、こころの問題だけでなく、他の成人病(生活習慣病)の場合や、心身にハンディキャップを持った人たちへの対応も無視するわけではありませんし、職場復帰の問題にしても、心の病気でなくても、他の身体疾患についてもいえるわけで、内科的な病気や外科的な手術を受けた後でも、回復した後の職場復帰をいつごろ、どんな形でということや、職場復帰後の勤務体制、配置転換、更には再発の予防などについて十分な配慮が必要なことはいうまでもありません。当然、病気回復の直後は、職場としては本人の戦力ダウンを考慮しなければいけないことになります。病気の予防ということについては、本人の責任というところもあるわけですが、だれも病気になりたいという人はいないのですから、身体疾患の職場復帰に関しても、精神的な面も配慮してのカウンセリング・マインドとは少し違いますが、きめ細かい対応が望まれると思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION