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(4) ストレスにどう対処するか

ここで取り上げているのは、職場として、上司としてどうすることが大事なのかということで、ストレスに対して個人個人がどう対応するかということは、必ずしも直接の関係はないかもしれませんが、参考までに、ストレスにはどう対処するかということを簡単に説明しておきます。

ストレスとはどんなものか、それによってどんなことが起こってくるのかということは、すでに説明しましたし、具体的にどんなことがストレスになるかも表示しました。

考えてみれば、ストレスの無い生活などということはあり得ないわけで、生きていることそのものがストレスだという人さえあります。私は、むしろ、ストレスなんかありませんという人がいたらその人の方が問題だとさえ思います。ストレスがあることを自覚し、ではどうするかと考えることが大切なことですが、職場のメンタルヘルスの中では、「気付き」と「受け皿」ということが大事だといわれるようです。「受け皿」ということは、すでに述べたことが大部分ですが、ともかく、個人個人にストレスがたまっているとか、このところ疲れがたまっているとか、自覚することからスタートするわけです。

ア ストレスに対する心構え

ストレスということを最初にいい出したセリエは、「ストレスは人生のスパイスである」ともいっています。解釈はいろいろにできるかと思いますが、あるものならそれから逃げないで、生きていくためのエネルギーとしたらということかもしれません。そこで私なりにストレスに対応する「三ない主義」というのを考えてみました。

ストレスは生きている限り必ずあるという前提にたてば、それから逃げるという考えは、無意味なことになります。よくストレスに強い人とか弱い人とかいいますが、それはストレスに立ち向かうということではないと思います。結局あるものはあるとして、それと同居してうまくやっていこうということなのだと思います。

 

 

 

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