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休憩の問題、食堂の設備、現場で働く人の場合はそれなりの心身の健康への配慮、最近では喫煙者と非喫煙者の分煙の問題など列挙すればいくらでもあるかと思いますが、結局はこれからふれる職場の人間関係の問題、仕事に直接関係のあることなど、すでに述べた職場のストレスといわれるものに対してどう対策を考え、配慮していくかということになるのでしょう。

ただ、働く場所としての環境の問題は、いわばハードの問題もあって、単に上司がカウンセリング・マインドということをよく知っているとしてもそれだけではどうにもならないことではあるかもしれません。そこで、職場不適応者を出さないようにするということは、職場全体としての取り組みということがいわれるわけでもあります。

繰り返しになりますが、ストレス対策が大切ということになれば、次の問題、強いていえば、ソフトの点では、前に述べた職場のストレスの大きな二つの柱は、仕事と人間関係ということになるので、それぞれについて少し考えてみたいと思います。

仕事のことに関しては、何度もいいましたが、仕事量が多い、忙しすぎる、超過勤務が多い、年次休暇が取れないなどという点については、忙しければ疲労がたまる。疲労はストレスの元になる。ストレスがまた疲労を産むという悪循環になることについては、十分な理解を示したとしても、これも上司などのカウンセリング・マインドだけではどうにもならないことも考えられますので、職場全体の問題として取り上げる必要がありますが、少なくともこれらのことが、ストレスになるということについてはよく分かってほしいものです。

仕事の過重という点では、量の問題だけではなく業務内容も関係してくるものです。一部はストレッサーというところで述べましたが、人それぞれ、性格も資質も能力も違うのは当然ですし、職場として、オールマイティの人をというのは無理なことですから、上司としては、普段から部下の仕事への向き不向きなども含めてよく把握しておく必要があります。

 

 

 

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