10 一次介入とカウンセリング・マインド
職場のメンタルヘルスで、一次介入、二次介入、三次介入という言葉を使うことがあります。それぞれについて、カウンセリング・マインドということを踏まえて考えてみたいと思います。
(1) 一次介入とは
一次介入というのは、職場不適応に陥らないように予防するにはどうしたらいいかということで、狭い意味での精神疾患の予防というのとは少しニュアンスが異なります。また、予防といっても生活習慣病の場合とは考え方も違ってくるでしょう。まず全般的なこととして、以前から職場のアメニティということをいいます。日本語に訳すのが少々難しいのですが、「心地よいこと」とか「気分のよいこと」などといったらいいのでしょうか。もちろん、職場の人間関係や仕事全般のことが、この中に含まれるわけですが、それは後で述べますので、取りあえず、職場の物理化学的な面での環境ということがあります。これも取り上げればきりのないことですが、空調、照明などや、職場内の机の配置、場合によっては、仕事がやりやすく、疲れにくい椅子であるとか、OA機器の導入が、職員の疲労を従前に比べれば増すおそれも出てきます。