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イ 反応性うつ病

病態や症状は上記のうつ病に準ずる精神的な原因や動機(心因−ストレスも当然含まれる)があってそれらの精神的な負担に対する反応として上記のうつ症状も示すものである。

この場合、心因とされるものは、急激に起こったものも、長期にわたる出来事のこともありうる。

心因反応に含めてもよいが、特にうつ症状が表に出ている場合にこの診断をつけることが多い。したがって抑うつ反応と診断される場合もあり得る。

ウ うつ状態

状態像を診断名とすることは、必ずしも好ましいことではなく診断もあいまいとなるが、背景因子(素因、環境因子など)がはっきりしないものの、症状はうつ病の示すそれである時に、とりあえずの診断としてつけられる。

状態像診断:他に幻覚妄想状態など

エ 抑うつ反応

ゆううつにさせるような動機がありそれに直接関係して起こってくる抑うつ状態をいう。抑うつの内容は動機となった体験に集中することが多く、通常の悲哀より程度の強いものであるが、原則として動機がなくなると抑うつも消える。症状経過のより重症のものを反応性うつ病と呼ぶ場合もあるがその区分は明確ではない。

オ 心因反応

心因とは心理的な葛藤を含む様々な精神的な原因、動機、負担となることなどをいい、環境要因、ストレスなどもこれに入る。

これに対して精神的な反応として起こってくる精神症状の総称。

したがって、ここで示される症状は一定のものではなく、心因の種類や本人の性格、周囲の状況によっても現れは異なる。うつ症状、心気症状、神経症様症状から幻覚妄想状態まで出現しうる。一般には一過性であること、発症と心因との因果関係が客観的に了解できることが条件の一つとなる。

 

 

 

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