従来診断とICD10の対比については、労働災害と精神疾患というところで提示しておきます。
(4) 従来診断による疾患について
ア うつ病
抑うつ気分、意欲減退、希死一自殺念慮、自己不全感、悲哀感罪業−微小念慮、睡眠障害、自律神経症状を主とする身体症状などを示す病態
例えば
人と会うのが面倒、何もしたくない
日常生活が楽しくない
全てに自信がない、自分は駄目な人間だ
将来に希望を感じない、生きていても仕方がないと思う
頭がさえない
容易に物事を決められない
他人の目や噂が気になる
よく眠れない、食欲がない など
原則として、明らかな器質疾患が除外されること
一般に精神疾患の発症は、素因、環境要因、結実因子(発症のひきがねとなるもの)によるといわれる。
漠然とうつ病という場合には、いろいろな要因が考えられるが、ストレスを含む環境要因が大きなウエイトを占めていると考えられるのは下記の反応性うつ病とか抑うつ反応に入るものが多いであろう。
従来診断で単にうつ病というといわゆる内因性うつ病をさすことが多い。この場合には、環境要因の関与を否定はしないが、発症の大きな要因が本人の素因にあると考えられる。