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最近ではストレスは生体の免疫系にも影響するともいわれ、ストレス過剰によって、免疫力が低下すると癌の発症や増悪にも関係してくるとすら言われているようです。

 

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心身症

身体症状を示す疾患で、その成因に心理的要因(ストレス)が関係しているものをいう。

心身症の例

高血圧症、低血圧症候群、神経性狭心症、気管支喘息、消化性潰瘍

慢性胃炎、過敏性大腸症候群、肥満症、糖尿病、偏頭痛、じんま疹

円形脱毛症、眼性疲労、インポテンツ、その他

 

従来診断による精神疾患などのすべてを説明するわけにはいきませんので、これまで、労働災害(公務災害)の認定の中でよく出てきた疾患名や症状群についてだけ、簡単な解説を付け加えておきます。どういうことかと言うと、これらの疾患は、ストレス−業務過重が大きく関与しているからということになるからです。

ICD10の診断については、詳しい解説は加えませんが、これもストレス関連で発症すると思われるもの、上と同じ事の繰り返しになりますが、業務過重と関係するとして、労働災害認定の申請でみられたものあるいは、これから、そういう診断であがってくると思われるものをいくつか挙げておきます。

前にもいいましたように、ICD10は今の症状を主体に診断することが多いため、これらの疾病が、ストレスや業務過重によって起こってきているかどうかについては、個々の事例についてよく検討する必要があります。この中にはむしろ環境要因より素因が発症の要因の大きなウエイトを占めているものがあることも確かです。

 

 

 

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