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6 精神的不健康の分類 −精神疾患などの診断−

 

特にストレスと関係のあるものや、労働災害認定上問題になるものについては、後でまとめて説明しますが、ここでまず、精神的不健康(精神的に健康ではない状態)、あるいは精神疾患などといわれるものは、どういうものかについて一般的なことを説明しておきます。

よく精神的に正常とか異常といいます。そもそも、正常、異常という判断の根拠は何なのでしょうか。まともだとかまともでないなどという言葉と同じように何げなく使っていますが、よく考えてみますと、大変あいまいなことのようでもあります。

血液検査などでもコレステロールの値とか血糖値なども極端に数値の高い、低いものは問題ないとして、正常の範囲とか境界とかそういういい方しか言えないことも多いわけです。まして精神的なもの、行動、物の考え方などについては、もっと判断が難しくなります。

強いていえば、正常というのは常識の範囲のもの、異常というのはその範囲をはずれているものとでもいったらいいのかもしれません。ただこれも何が常識なのか、どこまでが常識の範囲なのか言い出したらきりがありませんし、まあだれもが了解できる範囲のものは正常だとしかいいようがないかもしれません。

そんなふうに考えれば、精神的に異常とか正常とか、変わっているとか、いないとかということは、別に精神科の医師でなくてもだれでも判断できるということになります。もちろん、専門的な病気の診断は別として、少なくとも、精神的にとか、行動や態度に問題があるという判断が、例えば上司でも同僚でもできるとすれば、一つには職場のメンタルヘルス対策の重要なポイントでもあるわけです。

 

(1) 心の健康とは

このことに関連して、心の健康というのはどういうことなのかを簡単に説明しておきます。

 

 

 

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