ウ 朝刊シンドローム
朝刊シンドロームというのは、前の名古屋大学の笠原教授がいい出されたことのように聞いていますが、うつ病、うつ状態になると朝刊を読んでも集中できず、内容がよく分からないということのようです。ここではうつ病の治療について述べるわけではないので、ストレスー般に対する考え方は別として、うつ状態が疑われたら、産業医や専門医と早く相談して対応を考える必要があるということにとどめます。
エ ハイウェイ症候群
ハイウェイ症候群というのは余り聞き慣れない言葉かと思いますが、俗にいうエリート職員が、常にハイウェイを車で走っている気持ちで仕事をしていると、突発的なことがあると、精神安定を欠いて、自分を見失ってしまうような状況を考えてください。下手な説明を付け加えなくてもいいかもしれませんが、何もなければ、ハイウェイを走るのはこんなに気持ちの良いことはありませんが、何かのことで渋滞にでも巻き込まれると、こんなに大変なことはありません。しかし実際にはあり得ることですから、むしろ一般道路を走って、やむを得なければ、別の道を走る、あるいはドライブインで一休みするなどの気分的な余裕を持ったらどうかということになります。エリートといわれる人の中で、比較的若い人の自殺の中に仕事にいきづまりを感じて、そういう事故を起こした人がいるようにも感じたので挙げておきました。これは、むしろ個人の心構えが第一でしょうが、とかく、がむしゃらに突っ走るような傾向のある職員がいれば、上司などはよく指導していく必要もあるかと思います。
オ 出向症候群
出向症候群は、出向などで新しい職場に勤務したものの、すぐには職場になじめず、うつ状態などを示すことと思いますが、これに関連しては、すでに職場のストレッサーのところでふれました。職場としては、本人の希望通りの部署というのは、現実には困難なことが多いと思いますが、出向先で不適応を起こしやむを得ず元の職場へ戻したら、問題なく仕事が続けられたという例もあります。