もちろん、燃えつき症状になったら回復しないということではありませんが、そうならないに越したことはいうまでもないことで、そこで大切なことは、表に示したようにそうなりやすいタイプがあるといわれていますので一人一人が、自覚することがまず大切です。いわゆる「気付き」です。これはストレス全般に対してもいえることで、ストレスが過剰になってきた、疲れがたまってきたなど自分で感じることが第一で、それを感じない人への対応が問題になります。
一方で、職場としては、そうならないように、対応を考える必要があるということになります。社会的な対応というところに少し挙げておきましたが、大切なことは、個人個人の性格や仕事への適応の状況などを普段からよく把握しておくことだと思われます。
このことは、他の様々な状態や、ストレス全般に対していえることで、あとで、「10 一次介入」というところで述べることにします。
イ ピーターパン症候群(シンデレラコンプレックス)
ピーターパン症候群、女性の場合はシンデレラコンプレックスというようですが、これもこのことについて詳しく説明するのが、このマニュアルの主旨ではありませんので、ごく一般的に社会的に大人になり切れない状態とでも言っておきましょうか。概して、これまでの生活が順調で壁にぶつかったことのない人が、ここでは職場に入ってからささいなことで、といっても本人にとってはささいなことではないのかもしれませんが、職場に適応できなくなったり、極端な場合はパニックに陥ったりすることがあります。事実、職場でちょっと上司にしっ責されたというようなことで、職場不適応をきたした例もあります。これは、常識的に考えれば、自分の気持ちの中で処理できるはずのもので、それが社会性を備えた人間ということになるのですが、別のいい方をすれば、精神的に健康という条件の1つに葛藤に強いことというのがありますから、そのへんの問題とも関係してきます。
この場合はむしろ、「11 二次介入」で対応することが多いかも知れません。やや、自分なりの説明になり過ぎたかもしれませんが、詳しいことを知りたい場合には、ピーターパン症候群の成書を参考にしてください。