図4.24は、底質の中央粒径と出現種類数、出現個体数および湿重量の関係を示したものであるが、中央粒径値は、大部分が0.02mm前後に分布しているため両者に関係をみることが出来ない。ただし、LWLにおける出現湿重量との関係については、不明瞭ながらも中央粒径値が小さいほど出現湿重量が大きくなる負の相関を見ることができる。大きな中央粒径のデータが少ないため確実なものではないが、今後、データが蓄積されてくれば、何らかの関係が示される可能性がある。
図4.25は海浜の勾配と底生生物諸量の関係を示したものである。なお、海浜勾配は、各調査測線毎に1データしか得られないものであることから、底生生物の種類数はHWL、MSL、LWLの全点で出現した種類数を示し、個体数と湿重量は3地点の平均を用いて比較を行った。
これらの図をみると、底生生物に関する各指標とも海浜勾配が緩い程、種類数、個体数、湿重量ともに大きくなっているようである。このうち種類数と個体数については、海浜勾配14%付近に大きな値がプロットされているが、この点は特殊な環境下にあった測線(4.1(1)1)項参照)であったことを考慮して検討対象から除くと、両者間には負の関係が示唆されるものとなる。