1] 物理的浄化機構
物理的な浄化機構に関しては、砂粒子による濾過作用に着目した研究事例が多い。
坂本(1988)1は、砂浜内部の地下水位の変化と間隙水の容積を測定することにより、砂浜に出入りする海水量を理論的に試算している。その結果、干満差が大きいほど出入りする海水量が大きくなり、あるモデル海浜では、1kmあたり1回の干満で砂浜を出入りする水量は大潮時に約3,0003、小潮時に370m3と10倍程度の差があることを示している。また、中央粒径が粗大であるほど出入りする海水量が多くなることを導いている。