この数年間に行われた養浜による人工海浜造成事例をみると、瀬戸内海のような内湾部における事例に加え、離島や外海に面した場所における造成事例も多くなっている。
また、計画段階の造成目的(護岸等を一体として考えているため、必ずしも養浜の目的とは一致しない)について整理したが、大部分が親水性の確保と景観配慮を主目的としており、生物、生態系に関する配慮が計画に記載されている事例は少ない。
生物に関する配慮としては、新潟西海岸において養浜を行うにあたってモニタリング調査を行ったもの、生野島馬取地区における可能な限り海域の改変を小さくするように計画を行った事例、多良間海岸においてウミガメの産卵行動に配慮を行い、砂浜形状の決定、沖合構造物を使用しないこととした事例などがあるのみである。