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61. 知識はとても豊富ですが

遼寧師範大学 805 安藤桂子

 

学年数が13,000人ぐらいの大学で、日本語(日語)科は、4年生23名、3年生15名、2年生80名(4クラス)、1年生105名(4クラス)です。それに、大学院生、聴講生(?)が加わってきます。拡大募集政策とかで、来年度は180名とか。それと単位制の導入も始まり、教室不足、先生不足で大変なようです。日本人教師は3人です。

私は、2、3年生の精読(総合日本語)を担当しています。

2年生は、テキスト2冊、日本人と中国人先生がペアになって2クラスを交互に教えています。中国人先生は中国語の解説がついた説明の詳しいテキスト(新編基礎日語・上海訳文出版杜)、日本人先生は中国語が全く入っていない、話し合いをしたり、意見を発表したりできるテキスト(中級から上級への日本語-The Japan Times)で2週間交代で教えています。私はこのやり方が気に入っています。ただ、2年生は、学習歴8年目のクラスと2年目のクラスがあって、それが同じテキストですから、2年目クラスの学生にとっては大変だと思います。が、よく頑張ってやっています。週4コマ(8時間)担当です。

3年生は、全員中学校から学習してきた学生ばかりですから、知識はとても豊富です。が、会話はできる学生が少ないです。師範大学ですから、仕方がないと思いますが、学生は、話せることを切望していますので、精読の中に話し合いの場を持てるよう努力しています。(3・4年になると会話の授業はありません。)それと、外来語(いわゆるカタカナ言葉)にとても弱いです。テキストが古いので、現代的なカタカナ言葉が登場しないこともありますし、英語を大学に入ってからまだ1年勉強しただけということも関係しているようです。出来るだけ新しい日本語を知らせたいと思いますが、コピーに不自由していて、かなり難しいです。週3コマ(6時間)担当です。

同伴者の夫も2・3年の作文(95名+大学院生2名)を担当しています。日本語教育について全くの素人ですからその困難さを思いやるとなんだか申し訳ないです。誤用の訂正は大変な作業ですが、幸い辞書類参考書など学内の書店にかなりありましたので、たくさん購入し、勉強しながらやっています。最近、少し日本語教育が見えてきたと言っていますので、後期も乗り切ってくれることと思います。3年の聴解と合わせて週4コマ(8時間)担当です。

日本語科の主任から、「先生方には、たいへんな時に来ていただいて、忙しい思いをさせてしまって申し訳ありません。」と言われています。

 

62. 外国語教育の目標を明確に

同済大学 739 當間實

 

2年目になって、少しは中国の大学生日本語教育の実状について分かるようになった。

今回は日本語教育の目標と授業(評価)について述べてみたい。

外国語教育については、まずその目標をはっきりさせる必要がある。残念ながら、中国の日本語教育は未だその目標がはっきりしていないようだ。言語教育の基本なコミュニケーション能力の育成にあるわけだが、まずその事の確認が必要だろう。

 

 

 

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