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57. パソコンが教材づくりに威力

南開大学 827 加野庸子

 

南開大学は全国から優秀な学生が集まってきており、また彼等もそれを十分自覚していて周囲の期待を感じているようです。意欲的に学習に取り組んでいるので、授業もとてもやりがいがあります。

現在、教えているのは三年生日本歴史(20名)と古典文法(12名)それに四年報刊選読(18名)日語作文(15名)、及び院生の古典選読(12名)の10時間ですが、これらに加えて裏千家の茶道の授業にも顔を出しています。(2時間分)。日本語科の生徒は2年より茶道を習いますが、ほとんどがずっと続けていますので4年になるとかなり上達します。

日本歴史は清水書院の日本史Aの教科書、古典文法は明治書院の精読新国語I古典編を使用しています。4年の報刊選読は家族に頼んで定期的に新聞、雑誌を送ってもらっています。作文は、日本の高校で作成した国語表現の自主教材を使っています。また院生の古典は「源氏物語」の原文をインターネットよりダウンロードしました。こちらに来る際にパソコンに教科書の原文を5社分程入れて持ってきたので教材作りにとても役立っています。(国語I、国語II、古文、現代文などかなりの量をいれてきました。)またインターネットも欠かせません。先日朱鎔基首相のTBSのテレビ出演の質疑応答を全部生徒に紹介したら真剣な表情で読んでいました。その後、非常に熱心な意見が次々と出てきて、活気のある授業になりました。パソコンとプリンターは必需品だと思います。あとコピーをとるのがとても面倒なので(自分で勝手にやるというわけにはいきません)スキャナーがあれば申し分ないと思いますが、そこまで持ってくるのは無理でしょうね。

 

58. 視覚的な授業を…

内蒙古農業大学 774 山下久美子

 

現在、担当している授業は大学院生の「大学日語」の読解2コマ、会話・作文1コマ・大学1年2年の会話・作文3コマ、全学生(日本語学習者)を対象とした日本事情1釜の計7コマである。ほとんどの学生は、中学校高校から日本語を勉強しているので文法は、よく理解しているが会話には不慣れで聞く力が弱い。よって授業ではなるべく文字に頼らず聞かせたり絵を見て表現させたりする事に重点を置いて指導しているので、授業の準備と言えば主に絵を描いたり、図・グラフ・写真などの準備で空き時間もかなり忙しい状態である。学生の中には上級者が何人か居るがほとんどの学生の会話力は初級から中級の間と言ってよいだろう。日本事情の授業は、最初は上級者を対象として自由に会話をさせる予定だったが日本語科の主任の考えで全学生対象となったため初級・中級の学生に日本のことを話す時間になった。この授業については毎回テーマを決めるのに苦慮しているがインターネットを使って情報を収集しながら何とか行っているところである。これまでの授業で好評だったのは「男はつらいよ」の講義とそのビデオ鑑賞だった。映像を通じて日本の様子を知ったり会話を聞いたりするのはとても良い刺激になったようだ。このような視覚的な授業を組み立てるための工夫の必要性を感じている。

 

 

 

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