その際に、この学習は必要なことでもあり、又大いに役立っていくことでしょう。」という最初の授業内容の説明で学生達の眼の輝きが増したように感じられたことが、昨日のことのように思い起こされます。真面目で意欲的に学習する態度がすばらしく、何よりも興味関心が非常に強いと感じられます。紙面の都合で、学生の作文例を載せられないのが残念ですが、提出させた作文を自室で添削していく時に、字のきれいなこと、表現力の豊かさ、応用力の良さ、発展的思考力の高さ等、文章能力がかなり高いなあ〜と感じています。これが、たった3年間ちょっとしか日本語を勉強していない者とは思えない感がします。現在の私、学校教育で10年間も英語を勉強していながら、これだけの英文が書けるだろうか、自分自身が恥ずかしくなります。
日本語会話の授業、これは面白い。実に楽しいです。実際場面での会話(美容院へ行った時の、医者へ行った時の、等の場面での会話)を教科書に従って学習します。私のあとにつづいて、一斉に会話文を言わせ、暗唱させるだけでは、おもしろくないし、学生にとっても飽き足らない。また、本当に意味が解っているかどうかつかめない。そこで工夫した結果、次のような授業を組んで実践しています。和やかな雰囲気です。でも未だ不十分です。そこで応用会話を作らせ、それを演じさせます。学生は実によく工夫します。私の評価はアクセント、イントネーションをなおすだけ。実におもしろい。それにしても、表現力は豊かですね。
50. 裕福な家庭の子弟が学ぶ私立校
華僑外国語学院 787 滝沢宜子
創立6年目を迎えた外国語専門の私立校です。圧倒的に英語が人気のようで、その他にフランス語、ドイツ語、ロシア語、韓国語と日本語を、第2、第3外国語として専攻しています。特に日語は日本経済の不景気が多分に影響してか、日語専攻熱は徐々に冷めている気配を感じます。教科書は新入生が新出版の日語会話、その他は文化初級日本語を使用しています。私の担当は英語専攻の4年生大学の3年生の会話を3クラスと日語専攻3年制の3年生のビジネスと交際会話で週18時間。それに週1回夜行われる日語コーナーがあります。
日語専攻の生徒たちは、かなりレベルが高く、年1回行われる日本語能力検定に、1級、2級を受験しています。日語専攻の生徒たちは英語は分かりませんが、その他の生徒たちは英語をマスターしていますので分からないところは英語で説明すれば理解することができます。
私立校ですからかなり高額の入学金、授業料を納めているようで裕福な家庭の子弟ということになります。金曜の3時頃は正門前の道路に迎えの自家用車が並ぶのを見ても分かります。学生たちは実に素直で礼儀正しく、然も親切です。勉強もよくします。全寮制で決められた1日の細かいスケジュールをこなしています。