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45. 翻訳調の日常会話

佳木斯大学 804 小川幸枝

 

当然といえば当然なのですが、翻訳調の日常会話に戸惑うことがあります。例えば・ごえんりょなく…(受け手から為手へ)・おかまいなく…(為手から受け手へ)・近い将来…(そのうち)・このあいだ…(この頃)・しかし…(多用が目立つ)など。「会話」(1年生90余名)以外の「精読」(3年生21名)、「日本事情」(3年生21名)でも必ず学生たちと短作文、短い会話を練習し、ことばの使い方と表情、ことばの伝わり方と状況の把握を共に学んでいます。

学生たちは、明朗、素直、熱心です。日本語を聞いたり話したりする機会を積極的に作ろうとしています。

この他、交代で2週間に一度医学部の研究生(7、8名)…(近い将来医者になる人、現在医者になっている人)と会話を楽しんでいます。

どのクラスもビデオを見せたり、カセットテープを聞かせたりしていません。専ら自前の両手と声のみです。しかし、空気が乾燥しているので美声もときにはかすれがちです。

 

46. 教材づくりにかなりの自己負担

南京大学 826 藪野範子

 

前期は、2年(写作)・3年(文学選読)・4年(日語精読4時間・高級視听)の計10時間を担当。後期は4年が減って、3年が6時間に増える予定。1学年25名に聴講生が加わって、1クラス30名前後。学生達の学力・意欲とも申し分ない。内容は全て任されており、教科書もない。従って自分の好きなように授業は組み立てられるが、教材を全てこちらで用意し、印刷機がないので学生にコピーを取ってもらうことになる。しかし全部を学生負担にするのは心苦しいので(他の科目の教科書の値段を考えると)、半分以上自己負担している。また「高級視听」に使うビデオもこちらにあるものは古いので、日本からテレビ等を録画して送ってもらっている。結果としてかなりの出費になっている。

また、大学の図書館にある日本語の本がとても古い上に数が少ない。いろいろ問題があって簡単にはいかないでしょうが、文庫本でかまわないから、それぞれの派遣先に寄贈していただけるとありがたい。

 

47. 大学の「自主独立経営」は…

大連外国語学院 741 信太武

 

今、中国の大学教育改革が急ピッチで進んでいる。本校の動きを見ていると、日本のかつての私立大学のマスプロ化によく似ている。

本科生の入学定員の大巾増と授業料の増額で手っ取り早い収入増を計る。新しい学部の新設となりふりかまわない学生募集。「自主独立」の経営、言葉はいいが、国からの援助なしに経営しなければならない現実はよくわかる。

 

 

 

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