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進学校であるだけに学習意欲旺盛にしてよく勉強する。特例を除いてほとんど寮生活。市内の生徒は金曜放課後に帰宅し、日曜夕方帰寮し夜の学習から又一週が始まる。

 

44. 教育内容、進度で中側教師と連携

佳木斯大学 811 宮野富夫

 

外国語学部には日本語科、英語科、露語科がある。着任して1部教科書の選択を委任されたが早期に新赴任者と日語主任双方が連絡し合い適切な教材を準備していった方がよいと思う。辞書は研究室にあるものを自由に利用できる。日本語の本、文学作品、研究所、資料が少ない。学生は日本語の活字に飢えているので読みやすい現代作家の文庫本を持参すればよかった。彼等は日本映画やテレビドラマはVCDで見ている。

○授業:全て自由裁量であるが中国人教師と授業内容、進度について意思疎通は欠かせない。12月末に前期試験があるが日本と違う点があるので早めに成績のつけ方を含めて聞いていく必要がある。2年会話、1クラス25名、「日本語会話中級」(日本語研修所)大学にあったものをコピーして使用、読解に比べ会話、聴解が劣る。単語、外来語の発音、ロールプレイ、重要会話表現の暗誦等をやらせる。個別指導の必要性を感じた。長期休暇中も継続して学習するように聴解もかねて会話練習できる課題を出した。2年作文、「日本語作文」(北京大学出版)課題作文を提出させ添削。誤例を集約、分類し正しい表現法を考えさせた。誤例で多いのは助詞、時制の間違い、中国の漢字、熟語をそのまま使用等。また生きた作文を書かせるため中国語を勉強している日本の高校生に手紙を書かせた。返事を貰うとより正しい日本語を書くように努めていた。「声の手紙」として学生の自己紹介の録音テープを高校生に届けるようにする。発音上達のためにも効果的であると思う。3年1クラス21名、新聞雑誌購読、教科書を新聞もないので日本で準備したいことの一つだ。3年生は全員日本語能力試験を受験するので、そのことも考慮に入れて授業をすすめた。日語能試の模擬試験も行った。

○学生:礼儀正しく誠実で素朴。真摯な態度で授業に取り組む学生が多いが、中に他教科の暗誦をしていた者がいたので注意したことがある。上級学年ほど学力差があるようだ。

○教師:中国人教師9人は皆、好意的で親切。週一回研究会があり日本語教師がレポーターになる。テーマは自由であるが語学的なものより現代日本の状況、環境汚染、自然破壊、人口問題、国際関係等を取り扱った新聞、雑誌を読むことにしている。

その他:コピーは全て学生負担。ホワイトボード用のマーカーは黒と青しかないので他の色を持っていくと喜ばれると思う。(「北京経験交流会資料」を持参しましたが特に教育上の視点からが役立ちました)

 

 

 

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