25. 悩みは直接法と教材づくり
開封大学(成人教育学院) 806 竹歳正方
開封大学の成人教育学院は各種のコースを持ち、高校を卒業した学生、中学を卒業した学生を教育する部門で、日本語コースには高卒の2年生16名、1年生13名中学卒の2年生17名、1年生20名がいます。これらの学生に聴解を週12時間、会話を週2時間、合計週14時間教えています。学生はいずれも入学時には日本語学習の未経験者です。文法・読解は中国人の先生が担当しています。
学校採用の聴解教材は「楽しく聞こうI、II」で、会話教材はありません。文法・読解で使用している。「新にほんごのきそI、II」を補助的に使っています。授業は50分の2時間続きですので、時間の配分に工夫が必要です。テープによる聞き取りを30分〜40分程度に設定し、残りの時間は発音練習、書き取り、日本語での簡単なやりとり、学生のショートスピーチ(1回に1人か2人)などに使っています。
悩みは、教材作りに苦労すること、テープが少なく、ビデオ機器がないことです。赴任時に持参したものが利用できません。今一つの悩みは直説法による指導の難しさです。
26. 欲しい、一貫した教育方針
青島濱海職業学院 759 中道恵津
この1年間にキャンパスが大きく拡大し、新たに教学楼や管理棟、餐庁そして学年寮などが完成した。これにより外語系、経済管理系、信息工程系の3学部が独立し、規模、学生数ともに青島最大の私立の職業学院(3年制の大専)となった。日語科は教師計17人中日本人教師6人という大世帯で、このことが時としてまとまりの難しい状況を生み出している。
日本人教師は必ず中国人教師とペアーを組んでいて、ペアーの先生が生活上の問題から授業の細々としたことまで相談に乗ってくれるので心強い。実際ペアーの先生は忙しいのにも拘わらず、頼めば気持ちよく動いてくれる。週授業時数は日本人の多くは16時間で、1クラス50人前後もの人数の授業は負担が大きい。また会話や聴解の授業を持つので、試験の時は放課後はもちろん、夜間や土曜日なども使って何日もかけてやらざるを得ず、中間テストが終わったと思ったら間も無く期末テストということになり、実際はかなりの過重労働である。教育の質を高める活動としては授業参観や相互公開授業・中心研究授業などが行われ、また学生による授業評価も重要視されている。教研室は先生方が気軽に質問しあったりして和やかな雰囲気である。
今年度から学部の独自裁量権が拡大されたので、全ての指示が教務処から出されていた以前よりは学部の実態にあった指導が行われるようになったと思う。コピーや印刷も比較的自由に頼める。しかし実質的な教育内容について言えば、今後の学院のより一層の発展のためには改善が必要だと思われる点も少なくない。まず学期始めに教務から詳しい行事予定や具体方針が明示されず、間際になって様々な指示が出されるので、度々混乱が起こる。現場の教師はつまらないことで多大の労力を費やされることになる。情報伝達が遅いことや連絡や打ち合わせ不十分が全ての原因であろうと思われる。