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17. 外国語学習者の適不適、能力差、熱意の有無

湖北汽車工業学院 767 飯田隆介

 

交流センターからの派遣は89年度から始まっており、以来、先輩諸兄姉の工夫、努力が重ねられてきた。その体験、感想を見聞すると、今なお同感であり、改善、継承の難しさを痛感するばかりである。重複は避けるが、「外語培訓中心」の日本留学コース、修学1年3か月(9月入学、翌年11月修了)、日本語能力試験1級合格が目標、在学中に日本の進学先も決まり、大学側が諸手続きの面倒をみている。学生は高、専、大卒入りまじり、社会人(夜間、土、日)子供コースも併設されている。日本人教師(2人)は特技を生かして会話、聴解を担当する。9月から11月まで、初級と上級が重なるので18時間(1時間は45分単位)を担当したが、上級が修了すると13〜14時間になり、ようやく余裕を取り戻した。学校運営の会議は週1回開かれているが、日本人教師は出席しないで、いきなり改変に直面、即座に対応するしかない。また、教師間で話し合う場も少なく、進度、内容等々、系統立った効果的な連携作業は甚だ心もとない。学校側の指示で使用した上級の教科書の難解さには閉口したが、いきおい、自分流の工夫を心がけるしかなかった。要は教師の熱意、創意工夫に尽きよう。ただし、経験してみて、テープ類等教具、教材類に準備不足だったことが悔やまれる。

一方、日本でもそうだと思うが、外国語学習には学習者に適不適、能力差、熱意の有無等が深く影響してくる。秋になり、日本の留学生が決まると学習意欲を失う学生が目立ってきて、これからが大切な時期なのにと、何とももどかしい思いをした。背景には、日本留学への諸事情が複雑に絡んでいるように思われる。高額の納付金を払ってなお日本留学熱が続いている現在、私たちとしては、日本留学に耐えられるよう手を尽くして教えているつもりである。しかし、学生の意欲、能力、学校の運営手法、そして日本側の受け入れ態勢の適否が、日本留学の成否のカギを握っていると実感している。

 

18. 学生の人柄はいいが、意欲はいまいち

黄山日語職業学校 545 加藤素男

 

生徒:中卒対象3年コース、高卒及び一般人対象2年コースの2コースがあり、いずれも目標は日本語検定3級取得に置かれている。現在中卒組の在籍者は1年生、20人;2年生22人;3年生、12人。高卒組の方は1年生、33人;2年生、10人。全体として女子が多く、人柄はいいが、学習意欲はいまいち。日本語専門学校生だからといって過大な期待を期待をいだくのは禁物。

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