紙おむつ、パッドとして抗菌剤の入った製品も発売されるようになりました(竹虎)。1枚当たりの単価は高いのですが、外出時に用いるなど、目的に応じた使い方をすれば患者さんのQOLを高めるのに役立つと思われます。
失禁用敷布には、肌触りがよく、肌との間の通気性があり、濡れた尿が一定以内では肌が濡れない吸水性のある素材からつくられているシーツを選びましょう。私たちはおむつ・パッドと同じ構造で、裏地は水を通さないで空気を通す生地を用いたシーツを試作して好評を得ています(プリオール)。この敷布の給水力が1000mlです。通常、わが国では尿失禁敷布の吸水力は500〜800mlの製品が多いようです。欧米では3000mlの敷布も発売されているようですが、あまり大きいと高価になり、洗濯するにも困るので、1000ml前後の吸水力のある敷布がよいでしょう。さまざまな失禁敷布が発売されており、抗菌性はないが消臭力のある失禁敷布も発売されています。
8] 女性の尿失禁器具にはよいものがないとのことですが、留置カテーテル法はどうでしょうか。
また、留置カテーテルはどのようなときに適応となるのでしょうか
尿もれを理由にしたカテーテルの留置は極力避けるべきでしょう。私たちの身体の中に異物を入れますと感染を起こしやすくなります。カテーテルなどの異物を体内に入れたときは、とくに体内に入れた異物の一部が外界と接しているときは、感染の心配が非常に高くなります。留置カテーテルを使用したときはほぼ全例で尿路感染が認められます。高齢者や抵抗の弱っている人では、尿路感染から敗血症を引き起こし、生命の危険を生じることも稀ではありません。