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大便の臭いは少しは残るにしても、軽減できれば介護者の負担は軽くなると思います。尿の臭いはかなり改善され、とくに少量の尿もれ患者さんのためにつくったパッド付きパンツは好評でした。おむつ・パッドの欠点は、2枚のおむつを使うことと同じであり、かさばるために運動が制限されることです。したがって、寝たきり老人しかその対象となりません。パッド付きパンツは、成人用はL型、S型を、小児には10-12歳用、7-8歳用、4-5歳用の各型をつくっています(プリオール製)。

「おむつはずし運動」がとくに高齢者の養護施設で積極的に行われるようになり、優れた報告がなされるようになりました。しかし、最終的にはおむつによる排尿排便は現在のところ避けられない事実です。この点から考えると、もう少しおむつについて討論する必要があります。「布おむつ」か「紙おむつ」の論議が5〜6年前まではよく行われていました。

表17に布または紙おむつの利点・欠点を記しました。最近ではほとんど紙おむつが用いられています。この理由としておむつの価格が下がったこと、吸収力のよい(ポリマー入りの)紙おむつが発売されたこと、素材がやわらかくなり尻の脇もれを防ぐなどの工夫がなされたことなどから紙おむつの需要が伸びているようです。

一方、看護にあたるお嫁さんなどはおむつの洗濯に費やす時間をパートにあてることで紙おむつを購入する以上の収入が得られ、また時間の余裕もできること、頻回の交換が不要となり、労力も要しなくなったことなども影響していると思われます。また、市町村から無料で紙おむつが支給される地域も増えてきたこと、高齢者養護施設等でも洗濯に要する人件費よりも紙おむつを用いたほうが人手がかからず安価となること等が原因となっていると考えられます。

 

 

 

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