人工括約筋とは尿道の周りに浮き輪のような風船を巻き、この風船を水で膨らませたり縮めたりすることで、尿道を締めたり緩めたりする装置です(図19)。貯水袋は恥骨結合の裏側に入れ、調節弁は男性では陰嚢、女性では大陰唇の皮下に設置します。排尿の時刻にトイレで調節弁を圧迫すると、浮き輪型の風船の中の水が貯水袋の中に入って風船が縮み、尿道が緩んで排尿できるのです。排尿終了後は、調節弁を再度圧迫すると水が風船内に入り、尿道が圧迫され尿もれを起こしません。この装置は欧米ではかなりの人に使われており、良好な結果が報告されています。