お年寄りの病気の特色と尿もれ
厚生白書によりますと、昭和25(1950)年のわが国の65歳以上の人口は416万人であり、全人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)は4.9%に過ぎなかったのですが、年々高齢化率は上昇し、平成12(2000)年には2,187万人、高齢化率17.2%にまで達しています。この高齢化は今後も続くと予想され、老人疾患の増加とその対策が求められています。老人になると避けられない老人三大症候―失禁、痴呆、転倒(寝たきり)が起こります。高齢者ではこれらの3つの症候は単独に存在することは稀であり、互いに複雑に絡みあって存在しています。また、青壮年女性の尿もれの原因は単一なことが多いのに対し、老人の尿もれは複数の原因から生じていることが多いため、出現する症状も複雑となり、かつ、原因の治療も難しいことなどが相まって、失禁対策に難渋しているのが現状です。このように治療が難しい高齢者の尿失禁が、人口の高齢化に応じて今後ますます増加することは疑いなく、早急な対策が望まれています。
人には4つの死があります―社会死、心理死、脳死、心臓死です。