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1. 子どもをとりまく環境問題があり、児童の安全を確立しなければならない安全管理があります。

2. 子どもに、安全に関して「危険についての認識」と「安全の習慣や態度を身につけさせる」教育を図ることも重要なことです。

両者は、車の両輪のような関係になり、乳児には後者の教育は不可能であり、成長にしたがって安全教育の効果が期待されます。

しかし乳児期の精神的特徴としては、生まれつき恐怖という自衛の傾向を備えています。安全のしつけは、危険物と、この恐怖心を結びつけることによって始まります。乳児の事故は這い這いができるまでは、ほとんどベッドや畳の上で生活しているため、7か月頃まではあまりみられません。

したがって、この頃の事故のほとんどは、受け身の状態で起こり、自らの働きで起きることは少ないようです。7か月頃までの事故の種類では、『窒息』が圧倒的に多く、実例としては、「授乳後のガス排出」をさせなかったことや、こわれたオモチャ、貨幣、兄や姉が与えたアメ玉を飲み込んで喉をつまらせるものなどがあります。

また母親がお乳を飲ませながら添い寝をしているうちに身体で圧迫したりすることがあります。乳児は、見たもの、触れた物はなんでも手を出し、口に入れるという特性があり、集団で保育する場合は、家庭での1対1という関係とは異なるため、遊具の選択や遊具の点検、管理するうえで保育者の十分な環境設定の配慮がいります。

這い這いをするようになると行動範囲も広がり、「しつけ」をしなければならない面も出てきますが、同時に、安全教育の好機ともいえます。

1歳近くになるとまだ言葉は十分に通じはしないが、這うようになったときや、歩けるようになったときの子どもの行動は、大人の側から見ると常にハラハラドキドキの連続であり、つい大きな声で「危ない!」「だめ!」と厳しい声をかけることが多くなりがちです。

 

 

 

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