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また、近年問題になっているアレルギー体質を持っている子どもや、低体重児への配慮もできます。あるいは家族が過食ぎみで将来への肥満や生活習慣病への不安が予測される家庭への援助も行えます。ここ数年は、保護者の方が月初めの打ち合わせに積極的になっており、子育てが「車の両輪」であるとは、まさにこのサービスこそがその色合いを濃くしています。

 

3] 親が「園だより」に投稿

子どもをもつ親が、地域連帯の中で育児の悩みを自然に解決する場が保育所なのですが、さらにもう一歩踏み込んで、各家庭が子どもを中心にしてどのように時間を過ごしているのか、毎月数人の保護者から「園だより」に投稿してもらっています。テーマは当方から提示し、例えば「わが家の自慢料理」・「暑い夏の食事工夫」・「我が家の育児奮戦記」等々ですが、これは親と園のコミュニケーションにとどまらず、読む方の親も職員も、どの家庭でも子育ての苦労は同じであるということを知ります。経験の浅い職員はややもすると、家庭に規則正しい生活習慣を求めたり、理想的子育てを求めることが多いのですが、親にとっては、それぞれの家庭の赤裸々な姿を知ることにより、他の家庭も同じような悩みや生活をしているなど、安堵感や育児の共通意識が生まれるようです。

「園だより」に投稿が始まって18年が経過しましたが、保育所保育を進める上では、児童の個別配慮に活かされることも少なくありません。

また、1年に3回ほど夕刻の7時ころに開催される「保護者懇談会」は、「園だより」の投稿が自己紹介をとりもち、親同士の交流もごく自然な形で行われ、懇談会はすぐに佳境にはいります。途中の入園者も他の親と溶け込みやすく、園生活になじみやすい環境作りになっています。

 

 

 

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