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昭和43年4月末、国庫補助金105万円、市補助金150万円などで、ほとんどを借り入れ金でまかない、5月開園にこぎつけました。

当時の保育所建築面積は、平屋建255.27m2と大変狭く、20年後の昭和63年度の事業として、同じ敷地に、全面改築いたしました。鉄筋コンクリート2階建とし、1階279m2、2階245m2となりました。

定員については、開設当初、2歳未満児20人、3歳未満児20人、3歳児20人の60人定員でしたが、3歳未満児の申込が殺到し、市の窓口も困ってしまうような人気となりました。そのため、44年から、定員60人を3歳未満児とし、0歳児を増やしました。

 

(2) 保護者、地域社会、行政の反応

開設1年目にして、希望者が殺到し、市行政の窓口である児童家庭課は、対応に困ってしまう状況が続いていました。多くの待機乳児を残してきたことになります。

保護者のニーズの一方には、母親が家庭をないがしろにしているなどと、社会からの母親非難もあり、保育所としても、見えない結果にとまどいつつも、10年、20年と保育経験を積んでまいりました。

乳児保育が社会に認められるには、10年〜20年の長い年月がかかりました。

手探りの乳児保育は、すぐには結果の見えない営みです。日々の保育を限られた保育者で、体を張って子どもの育ち、母親の思いを受け止めることで、積み重ねてきました。創立20年記念行事として、卒園の人々を招待し、集まった人々、また、参加できなかった卒園児の姿も、ある程度その現状を知ることができました。青春真っ只中の姿を見せてくれた卒園児は少なかったのですが、便りでその後の現状を知らせてくれました。

 

 

 

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