8 母子の幸せをねがって
山口県山口市・愛児園乳児保育所
園長 国重八重
私たちの保育所は、山口県庁の前方50mに位置し、周囲を公園にかこまれた静かな環境にあります。登園の道は、パークロードという、日本のみち100選に選ばれた美しい道です。四季を通じて変化する樹木が植えられ、年々大きく成長し、立派な街路のたたずまいを見せています。
パークロードは、保育所っ子の散策ロードです。西に、春日山、亀山公園、東に一の坂川があり、自然の多い整備された公園に囲まれ、子どもたちにとってもすばらしく優れた環境といえます。
(1) 開設の時期、経緯
当園の母体であります、社会福祉法人吉敷愛児園は、理事長宮原美妙が、昭和30年法人認可をいただきました。それ以前は昭和25年から里親として、戦災孤児を養育していました。長い児童福祉の歩みのなかで、乳幼児期の育ちの大切さを痛感していました。そんなとき専門職の母親が、子育てのために、やむなく職場を離れなければならない、とても残念だという働くお母さんの痛切な声を聞きのがすことができず、開設のため奔走し、保育所での乳児保育に取り組みました。当時(昭和42年)の保育所は、3歳未満の乳幼児、特に乳児を預かるということは、まだまだ困難であるということで、行政側も、また社会の認識も浅く、当市では初めての試みでした。わずかに公立園が、宇部市、徳山市で行っていました。
