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<普通食への移行>

離乳食から幼児食へと移行する頃になると、歯は上下4本生え、奥歯はまだ生えていないため、前歯で噛みやすいように工夫して調理した物を食べさせます。

手づかみで食べるのは発達段階で、とても大切な行為です。この時期に自分の手でつかみ口の中に入れ、どのくらいの量を入れると食べやすく処理しやすいかを、繰り返し経験することで学習していきます。

29年前から、食器は全て陶器を使用しています。木製のおひつに入れた御飯(御飯は軟飯です)を、子どもの目前で「○○ちゃんの」「○○ちゃんいっぱい食べようね」等言葉をかけながらよそってやり、トレーの中に、御飯は左、おかずは右、スプーンを手前に置き、保育士が食べさせる補助用を1本添えて用意します。汁物(薄味)は必ず毎日一品として与えています。

準備が整ったら、「いただきます」「どうぞ、おいしいよ、食べようね」と言葉を添えて、直ぐに食べさせます。御飯やおかず、お汁、お茶等、上手に食べられないためこぼれて、テーブルの上、椅子の下等、周りは大変な状況です。「ほら、こぼれちゃった、きれいにしようね」「こんなに、きれいになったね、きれいきれい」と言葉を添えながら、常に周りを清潔にして、温かい雰囲気で食べられる環境づくりを心がけています。

食後は、顔中食べた物がいっぱいくっついています。温かいおしぼりを消毒殺菌庫から出して、一人ひとりに一枚ずつ与え、清拭し清潔の習慣づけをし、「気持ち良い」という快い心情を育てることが、保育士の援助です。乳児は、いきなりおしぼりで顔全体を拭くと、泣いたり驚いたりすることが多いので、S字型(額から頬、目の下、鼻の下、あごの順)に拭いてやると、安心して泣くことがありません。

 

 

 

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