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乳児の入園時面接のポイント

新しい子ども一人ひとりの家庭での生活背景を把握するとともに、母親の育児観・哲学・方針など内面的なことも話し合うことにより、お互いの理解が深められると思います。

生まれて初めて母親の手元から離れ、集団に入る乳児は、不安とさまざまな変化を敏感に肌で感じます。抱き方、言葉のかけ方、授乳の仕方…と対応が変われば顕著に反応し、夜泣きや体調の変化が現れます。生きるための営みが自分でできない乳児が集団生活に入るのですから、母子分離に対する不安はかなり大きいはずです。

そこで、受け入れる園としては、保護者・子どもが安定した状態で生活できるよう、子どものおいたちを知り、その子に適応した保育を進めなければなりません。

地域、家庭環境のなかでどのように生活してきたか、出産時の様子、生活の実態、個性、健康状態、身体習癖、成長過程など母親から詳しく聞いています。特に乳児は、食事、排泄、睡眠が影響しますから、各専門分野(栄養士、看護婦、保育士)ごとに保護者と話を進めたり、ときにはアドバイスしたりしています。大切な命を預ける保護者、預かる園という立場を前提に、離乳食の進み具合(離乳食の過度な進みも含む)、食べ物に対してのアレルギー(医者と相談の上、食品の除去食をとりいれています)など個々に応じた対応が必要です。

園としての保育姿勢を保護者に理解してもらい、保護者が安心して預けられるよう、園と保護者が一体となり協力しあってこそ、子どもたちに無理なく新しい生活リズムが整うのではと思います。長い人生の中で、子どもと向き合えるのはほんの短い、しかし貴重なかけがえのない期間です。

 

 

 

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