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乳児の食欲は体調に左右されることが多く、その時の状態に合わせた調整食もオーダーされます。健康管理も合わせて大切ですが、食欲の個性もあって、食の細い子には、両親の体格も鑑みながら、無理せずに進めています。栄養管理も個別に行っていますが、このことは「専門職の連携」のところで詳しく触れたいと思います。

 

(5) 看護婦さんの役割

乳児保育の実践に欠く事のできない存在が看護婦さんです。健康管理から衛生管理まで日々細やかに徹底してくれます。乳児の健康状態は回復するのも早いけれど悪くなるのも早い、だから健康な時の赤ちゃんの様子をよくわかっていることが大事です。いつもと様子が違うことにいち早く気づくこと、保育士も気の抜けない部分ですが、看護婦さんがいると精神的にもとても助かります。特に家庭連絡が必要か否かの判断に迷う時、毅然とした態度で「お電話しておいた方がいいでしょう」とか「大丈夫、安静にして様子を見ましょう」とかはっきり判断していただけることが心強いのです。乳児保育を始めた頃に来ていただいた看護婦さんは救急病院の現場にいた方で、絶対的に医師の指示がないとなにもしない、できないという方でした。病院とのギャップの大きさに間もなく退職されましたが、保育園の看護婦さんの役割は病院の看護婦さんでは理解できない部分があるのだということをその時知りました。私たちの求める看護婦さんは、保育士とは違う専門知識を持った部分と、働く子育て家庭や保育園の役割を理解したうえで事態を判断するところにあります。

 

 

 

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