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このお便り帳が1年間分たまると一人の赤ちゃんの乳児期の生育史ができあがります。仕事を終えて保育園に迎えに来たお母さんが真っ先に行くのは、お便り帳のあるロッカーだったりして、それだけお母さんたちの大きな楽しみにもなっています。保育士もお母さんの期待があるだけに、少しでも日常の様子が伝わるようにと簡潔かつ明瞭な文章表現で複数のお便り帳を書き上げていきます。文章は心を伝えるものなので、長く書けば良いというものではなく短い文章の中に保育士の思いや子どもの生き生きとした姿が伝わるように、文の書き方についてはいろいろな記録物が提出されるたびに個別に指導しています。家庭と園が連携した保育は双方の信頼につながり、何でも話せる「間柄」になります。これは赤ちゃんの生活や情緒の安定に欠かせない要素でもあります。

 

(4) 保育半分、栄養半分

心身の発達の著しい時期は保育内容だけではなく、十分な栄養管理も大切です。理事長の口癖は「保育半分、栄養半分、保育園は心と身体を作るのだから、保育内容と同じ重さで栄養管理をしなければならない」です。確かに、特に乳児期は飲んで眠って、食べて遊んでといった具合に月齢幅のある乳児室を覗くと、いつも誰か飲んだり食べたりしています。健康な身体を作るための食事はとても大切なものだと思います。栄養管理は献立作成会議において、栄養士が作成した1か月分の献立表を資料とし、園長、主任保育士、調理師が検討します。栄養士は作成根拠の説明をし、主任は子どもたちの食べ具合や嗜好について現場の声を話し、調理師は、調理方法の統一(若葉と第二若葉で異なることのないように)や量、盛りつけの見栄え等について活発に意見交換されます。給食日誌はパソコンで管理されているので、栄養士の事務に係る時間は月末の集計時期を除き極力少なくし、栄養士本来の仕事である食事内容や栄養管理に使うことができるように配慮しています。

 

 

 

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