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一人の赤ちゃんに対する第三者的な発達の評価をするにあたって、まず、よく評価対象の赤ちゃんを観察すること、理解することが大切です。日々漫然と保育していたのでは、細かな発達段階を見逃してしまう事が多いのですが、時期時期の発達の評価項目が、頭の中に入っていると、日常の保育の中での働き掛けの視点が異なってきます。そういう意味では保育者に乳児の発達段階を無意識のうちに理解せしめるという大きな意味も持っています。

 

(3) 赤ちゃんの生活が24時間ワンサイクルのためのお便り帳

赤ちゃんの生活は家庭と保育園の連携のもとにつながります。朝、登園前の生活の続きを保育園ができるように、目覚めてからの授乳時間を中心に小さいメモ程度の用紙(B5の半分位)に短時間で記入できる必要最低限の項目を並べ「赤ちゃんの園での一日の始まりとして必要なものですから必ず記入してください」とお願いします。降園後、今度はお母さんが保育園での生活の続きができるように日中の様子が一目で理解できるように工夫したお便り帳を作りました。今のところ記入をせずに登園するお母さんは殆どいません。たまに忘れたりすると、お母さんから電話がきたり、こちらから伺ったりして、「そうか、そろそろおなかが空いたんだね」ということになります。稀に朝ミルクを飲ませないのに飲ませたように書いてくるお母さんもおりますが、赤ちゃんの様子を見ていると空腹で泣いていることがわかり、飲ませると、ゴックンゴックンたっぷり飲んで、やっと安定するということもあります。「お母さん、忙しい時は仕方がないんだから正直に言って欲しいな」と思いながら、「正直に言えなかった保育園の雰囲気も反省しなければね」とも思います。

 

 

 

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